
CMS比較② ContentfulとDrupal「クラウドの脳みそ vs カスタムメイドのビル」
この記事の要約 (Key Takeaways)
 最近のWeb業界では「ヘッドレスCMS」という言葉がトレンドになっています。その代表格が「Contentful(コンテンツフル)」です。 一方で、古くからある伝統的なCMSの代表格として「Drupal(ドルーパル)」があります。 今回は、この全く違う性...

最近のWeb業界では「ヘッドレスCMS」という言葉がトレンドになっています。その代表格が「Contentful(コンテンツフル)」です。 一方で、古くからある伝統的なCMSの代表格として「Drupal(ドルーパル)」があります。
今回は、この全く違う性質を持つ2つのCMSを、「建物の構造」に例えて比較してみましょう。
☁️ Contentful =「クラウド上の『脳みそ』だけを借りる」
Contentfulは「ヘッドレス(頭がない)」CMSと呼ばれます。ここでの「頭」とは、Webサイトの「見た目(デザイン)」のことです。 つまり、Contentfulは「コンテンツ(文章や画像)を保存・管理する機能(=脳みそ)」だけを提供するサービスです。
メリット:
- どこへでも情報を送れる: 脳みそだけが独立しているので、Webサイトだけでなく、スマホアプリ、スマートウォッチ、デジタル看板など、あらゆる場所に同じコンテンツを配信できます(オムニチャネルと言います)。
- サーバー管理が不要: SaaS(クラウドサービス)なので、セキュリティ対策やサーバーの保守管理はすべてContentful社がやってくれます。
デメリット:
- 見た目(頭)は自分で作る必要がある: サイトのデザイン部分は、エンジニアがReactやVueなどのモダンな技術を使って完全にゼロから作る必要があります。
- コストが青天井になる可能性: 利用するユーザー数や、データのやり取り(APIコール)の回数に応じて毎月の利用料が上がっていくため、大規模になると高額になりがちです。
🏢 Drupal =「管理室もショールームも揃った『自社ビル』」
従来のDrupalは、「コンテンツを管理する裏側(管理室)」と「ユーザーに見せる表側(ショールーム)」が一体化して作られています。
メリット:
- 全部入りでカスタマイズ自由: デザインのテンプレート機能から、複雑な権限管理まで、すべてが一つのシステム内で完結します。
- 利用料は無料(オープンソース): ソフトウェア自体は無料なので、Contentfulのように「アクセスが増えたからライセンス料が上がる」という心配がありません(※サーバー代はかかります)。
デメリット:
- 密結合の弊害: 表側と裏側が強く結びついているため、「スマホアプリだけに情報を送りたい」といった時に少し工夫が必要です。
- 自社でメンテナンスが必要: サーバーの保守やセキュリティアップデートは、自分たち(または依頼した制作会社)で行う責任があります。
💡 第3の選択肢:「デカップルド Drupal」という最強のハイブリッド
「Contentfulのようにいろんな場所にデータを送りたいけど、毎月の高額なライセンス費用は払いたくないし、もっと複雑なデータ管理もしたい!」
そんなワガママを叶えるのが、**「Drupalをヘッドレスとして使う(Decoupled Drupal)」**という方法です。 Drupalの「ショールーム(見た目)」部分を切り離し、Contentfulと同じように「強力な脳みそ(APIサーバー)」としてだけ利用するのです。
- Contentful: スピード重視、インフラ管理を手放したい、SaaSの手軽さが欲しい企業向け。
- ヘッドレスDrupal: 複雑な要件がある、ランニングコストを抑えたい、データを完全に自社でコントロールしたい企業向け。
現代のWebシステムでは、このように「目的」と「予算」に合わせてアーキテクチャ(構造)を選ぶことがとても重要になっています。

大音 匠平 o-mitz代表
約10年以上にわたり、大手メディア、EC通販、大手家電メーカーなどのWebシステム・サイト構築に携わってきました。CMSやECサイト開発、AWS環境でのバックエンド開発において豊富な経験を持っています。